花様年華 THE NOTES
Y: 4 July YEAR 22気がついたとき、僕は皮膚がはがれるほどに腕を洗っていた。手がぶるぶると震え息が上がった。腕をつたい血が流れた。鏡のなかの目は血走っていた。少し前のことが断片的に浮かんできた。 瞬間的に、集中力が乱れた。ダンスクラスのヌナと…
花様年華 THE NOTES 簡易年表(@luneosin) 10/12/20 [テヒョン]父親に暴力を受ける (16年頃 ユンギの家が火事で母親の葬式) 19/03/02 [ジン]アメリカから帰国。(2/20位?)1学年下へ入学。 (19/6/20頃?) 全員並んで海の前へ座っていた。 19/08/30 [ジミン…
テヒョン <29 December YEAR 10> 12/29 10歳靴も脱いだままに、カバンを放り投げてリビングに入った。本当に父さんがいた。どれくらいぶりなのか、どこに行ってたのか、そんなことは考えも及ばなかった。なにも考えず父さんの胸へ飛び込んだ。そのあとのこと…
O: ユンギ <8 JUNE YEAR 22> 6/8 22年Tシャツをまた脱いだ。鏡の中の俺はひとつも俺らしくなかった。"DREAM"と書かれたTシャツはすべての面で俺の好みじゃなかった。赤い色も、夢という単語も、ぴったりとタイトなところもすべてが気に入らなかった。苛々し…
O: ジミン <3 JULY YEAR22> 7/3 22歳結局、床に横になった。音楽を消すと周囲は急に静まりかえって僕の呼吸の音と心臓の音以外何も聞こえなくなった。携帯電話を取り出してお昼に習ったダンスの映像を再生した。映像の中で、ヒョンの動きは柔らかく正確だ…
O: ジョングク<16 JULY YEAR 22>窓際に立ち、イヤホンをつけたふりで少しずつ追いかけて歌った。すでに一週間になる。もう歌詞を見なくても一緒に歌うことができた。片方のイヤホンを外し、自分の声を聴きながら練習をした。歌詞がきれいで好きなんだと言…
花様年華 THE NOTES ソクジン13 June YEAR 22 その海から戻って来たあと、僕らはみんなひとりだった。 まるで決めておいてあったかのように、僕らは互いに連絡をしなかった。道に残したグラフィティ、明るく灯りを灯したガソリンスタンド、古い建物から聞こ…